〜ヘッドランプ高光度化計画[DIY]〜
2007/12/23
ヘッドランプは誰だって、暗いよりは明るいほうが良いと考えるはずです。
チェロキーはお世辞にもヘッドランプが明るいとはいえないので、
なんとかならないものかと、ずっと考えていました。
実は、納車より前に、ヘッドランプが暗いという情報は持っていたので、車体を購入したお店に、
「納車の時に、明るいバルブに交換しておいて下さい」
とお願いしていました。
確かにバルブを交換してくれたようです。なのに・・・これでもか!! ってほど暗い。
まぁしょうがないよね、チェロキーだもの。
と、見て見ぬ振りをしておりました。が、その後、数ヶ月で迎えた車検。
車体を購入したお店で車検を頼んだのですが、
「山さん、白いバルブに替えとけって話だったから、納車の時に替えといたけどさ、
確かに白いんだけど、暗すぎて車検通らなかったから、ノーマルバルブに交換しときました。
やっぱり白いのがよければまたバルブ戻しますけど…」
え〜私は白いバルブに替えるのではなく、明るいバルブに
交換するようにお願いしたつもりだったのですが、というわけで、
「あ〜けっこうですぅ〜」
要するに私は数ヶ月間の間、車検にも通らないほど暗いバルブで過ごしたわけw
ん〜、「色」と「明るさ」って、両方とも大事で、
どっちが欠けてもまともに仕事をしてくれないわけです。
≪ブースターの採用≫
さて、この頃に私のヘッドランプを何とか明るくする方法は無いものかと模索を始めたのでした。
問題はその方法と、コストです。
より明るい夜間走行のために、HIDという手もあります。
最近ではHIDのフルキットが20000円前後で入手できたりします。
が、私は昨年の夏ごろ(だったと思う)、ブースターなるものの存在を知りました。
12Vの車載バッテリーから電力を供給するのだから、
どうせ色が白っぽくなるとか、その程度の変化で、
大した効果は見込めないだろうとタカをくくっていましたが、
かなり明るくなります!! |
かなり明るくなります!! |
かなり明るくなります!! |
ライトオンで光量が最大170%UPブーストアップ!! ●強化ハーネスを使用しなくても同等以上の明るさを実現。 ●キャズ指定バルブとの組み合わせで最大170%の光量アップが可能。(当社比) ●ロービーム・ハイビームそれぞれ切り替える毎に約1.0秒後のブーストアップを体験できます。 ●パッシングする際、途中に発生する電流値を制御し、通常レベルに電圧を下げ、バルブ負担を軽減します。 |
ただし、チェロキーの場合は、ヘッドランプの回路にリレーが組み込まれていない為、
バルブに流れるのと同じ電力が車内のヘッドランプスイッチにまで流れているので、
ブーストアップしたことで、かなりギリギリな設計のチェロキーのヘッドランプスイッチは、
いとも簡単に燃え尽きてしまうのです。私もスイッチを焼かれました。
1回目は原因不明、2回目のスイッチ故障でリレーハーネスを導入することを決定、
それ以降問題は起きていません。
メーカー問い合わせの返答に寄れば、「消費電力は変わらない」とのことだそうですが、
この、変わらない、という内容こそが微妙で、
「全く」変わらないのか、「ほとんど」変わらないのか、という違いなのだろうと思います。
前述2回のスイッチの破損が意味するのはやはり、
スイッチに流れる電力量が少なからずアップしていることを物語っていると思います。
さて、この装置の光量アップの原理というか仕組みについてですが、
通常、車載バッテリーからH4バルブに電力を供給することで点灯させるわけですが、
この商品は、カーバッテリーの直流12Vを交流の18Vに変換するのです。
電圧が上がった上に交流になってるんですから効率が良いことこの上なし。
24Vとか、もう少し電圧を上げて、ということも可能だったとは思いますが、
恐らくバルブのフィラメントへのダメージが大きく、
球切れしやすくなるのではないかと勝手に予想しています。
そこそこ明確な明るさアップを期待できて、バルブへの負担もそこそこ、
という値がAC(交流)18Vということなのでしょう。
≪リレーハーネスの採用≫
というわけで、スイッチを守る為にはリレーを導入しなくちゃいけません。
リレーを使用することで、
・大電流の流れる回路を短く出来る。
・電力のロスを大幅に減らすことが出来る。
等の利点を挙げられますが、
このリレーの仕組み、私はこのHPに記載したいのですが、
自分で描画してみましたがイマイチ美しくない。
というわけで、「クルマのDIYならここ」ってくらい有名な
「エーモン」のサイトから画像を拝借して参りました。
この図を基に、室内のヘッドライトスイッチを操作することで、
エンジンルームのバッテリーを使って、
ヘッドライトを点灯させる方法を考えて見ましょう。
リレーを使わない場合の回路図は小学校の理科で勉強しました。
<回路図1>
@スイッチを入れると
A電力が電球に伝わり、点灯します。
続いてリレーを使用する場合
<回路図2>
複雑に見えますが、順を追って考えれば簡単です。
この図の中には2つの回路があります。
@スイッチを入れると
A電磁石が通電します。
電磁石が通電すると、
B電磁石に引き寄せられ、スイッチが入ります。
スイッチが入ると、
C電力が電球に伝わり、点灯します。
更に、一般的なマイナスアースの自動車は、
車体が電気を通しやすい鉄製であることを利用し、
バッテリーの「−」極をボディーに導通させています。
バッテリーから遠く離れた位置にある電装品に対して、
プラスとマイナスの両極の銅線を引くのではなく、
「−」極は車体の任意の場所へ接続、「+」極のみバッテリーにつなげば動作します。
<回路図3>
図の斜線部分が車体への導通箇所。
言い換えると、車体へのアースポイントとなります。
繰り返しになりますが、チェロキーは<回路図1>のような構造で、
直流回路内は全ての箇所で同じ電流が流れるので、
車内のヘッドライトスイッチにも、ヘッドライトにも、
同じだけの電流が流れているわけです。
この構造のせいでスイッチが過熱したり、時には焦げたりして寿命を縮めたり、
ヘッドライトのトラブル(不規則な点滅や不点灯))を招くのですが、
リレー回路を導入することで、<回路図3>のような構造となり、
リレーを作動させる為の回路と、ヘッドライトへ電流を流す為の回路が別々になるので、
ヘッドライトスイッチのある車内にまで大電流を引き回してこなくてもよいことになる。
実際に車内に引き込む必要のある線は以下青○部分。
<回路図4>
たったこれだけでよいのである。
なんてシンプル。
しかも、この回路図を実現してくれるリレーキットが販売されている。
この商品写真はバルブもセットの構成だが、リレーのみのセットも販売されている。
サンヨーテクニカ製:GT-5000B H4Hi/Lo
左右セットでだいたい3000円くらい。
<回路図4>と異なるのは、各部品の間にヒューズがついていたりして、
より一層の安全性を実現している!!
※私はメーカーのマワシモノにあらず。念のため。
装着工程は、パッケージに書いてある通りやれば誰でも出来ること間違いなし。
・ヒューズケースなどのパーツがわざわざギボシ加工されているのでこれをつなぐのと、
・車体からの配線がバルブに刺さっているのを抜いて、リレーキットにつなぎ、
・リレーキットから出ている線をバルブにつなぐ。
・同じくリレーキットから出ている別の線をバッテリーのプラスとマイナスに一つずつ接続。
配線処理は目立たないように、また、ファンやベルトに間巻き込まれないように、
タイラップなどで車体に固定する。
こうしてブースターとリレーハーネスを両方とも入れたところで、
着々とヘッドライトは明るくなっていくのですが、
今度はレンズにも目を向けました。
≪ヘッドランプレンズの交換≫
96年までの前期XJチェロキーのヘッドランプのレンズは、ヘラ製です。
97年以降2001年までの後期XJチェロキーのヘッドランプのレンズはCIBIE製に
変更になっています。
配光やレンズカットも全く違い、格段に明るいそうです。
形式は、どちらも標準角灯とかというタイプで、
汎用のレンズユニットが各社から販売されています。
例えばレイブリッグから、マルチリフレクタータイプのヘッドライトユニットが販売されています。
これに前述ブースターとリレーハーネスの組み合わせは、大変明るく感じるそうです。
マルチリフレクターとは、 レンズのカットによって光が屈折、所定の位置に配光されて到達するのではなく、 レンズの奥、バルブの向こう側の反射板に凹凸が入っており、 反射板の凹凸によって配光が決まるタイプのライト。 一般的にレンズにカットは無く、通過する光もほとんど屈折しないため、 光のロスが少ない。 マルチにリフレクトする、という意味でマルチリフレクター。 |
こんな情報は色々持っていたのですが、
レイブリッグのユニットは片目で10000円弱(だったと思う。近頃の値段も知らない)
もの高額商品でしたので、手を出せずにおりました。
そんな中、比較的ご近所のチェロ仲間の方が
以前使っていたというマルチリフレクターのレンズユニット(レイブリッグではない)を
下さいまして、交換してみました。
確かに明るくなったようには感じましたが、光軸が出ないというのがネックで、
何とかならないものかな〜と、色々考えてましたらね、
これまたJeep仲間の1人が、
「山さんはまだヘラちゃんですか?
CIBIEちゃん使いますか?」
ってな具合でありがたく頂戴するに至りました。
交換してみて、その差は歴然でした。
写真では分かりにくいはずのヘッドランプの明るさの差が、以下の通り。
この外したランプユニットは、マルチリフレクターを下さったお方の了解を得て、
マルチリフレクターを使用してみたいという次のお方のところへ旅立っていきました。
これである程度のヘッドランプ回りは完成、というか、不満の無い状態にこぎつけたわけですが、
冒頭で述べたように、最近HIDが20000円前後で購入できる。
一昔前より0の数が減った。市場流通量も増えて、製造コストも減った為だろうか。
だろうかって、そうに決まってるんだが、興味を持ってしまった。
≪バルブの交換≫
が、20000円だって右から左へひょいっと動かせるような身分でもない。
そういえば、ブースターに付属してきた「高効率H4バルブ」なるものが、
まだ切れていないノーマルバルブと交換してしまうのはもったいないということで、
グローブボックスの中で出撃の時を待ちわびているのを思い出した。
でも、ノーマルが切れた瞬間、両目ともこの「高効率H4バルブ」に替えるつもりだが、
まだ切れてない。ブースター使用車は冬に球切れしやすいと聞いたが。
早く切れないかな〜♪なんて考えてたこの前。
近所のラーメン屋さんで呑んでから、運転代行を呼んだら60分待ちだとか。
これはもしや、この間で交換せよ、という意味では?
と、激しく勘違いをし、右目のみ交換作業をやってしまいました。
酔った勢いでヘッドランプの球交換・・・。幸せな人だ。
交換してみたところ、何だかとっても緑に近い青に見える。
色温度からして6000Kを越えているように見えた。
しかも、もう片方のノーマルバルブの方が明るく見える。
これはどうやら、「高効率H4バルブ」とやらの外周のガラスが青く着色されているのだが、
フィラメントから出た光のうち、青以外の波長をこのガラス管が吸収してしまう為に、
青は青だが暗い青になってしまっている事が原因と予測された。
ちなみにヤフオクに出品されているブツの質問欄などを見てみると、
Kの値が上がれば上がるほど明るい、と勘違いなさっている方がいらっしゃるので「註」
色温度の単位 理想的な黒体を想定すると、ある温度において 黒体が放射する光の波長の分布を導き出すことができる。
温度が高くなるにつれて黄色みを帯びた白になり、 さらに高くなると青みがかった白に近くなる。 このように、白という色を黒体の温度で表現することができるのであり、 この温度を色温度(いろおんど)と呼ぶ。 単位として、絶対温度のK(ケルビン)を用いる。 |
要するに色を数値で表したのがK。
明るさはカンデラであらわす。
例えば、
自動車のヘッドライトなどの光度の規制は以下である。 2灯式(走行用前照灯とすれ違い用前照灯が同時に点灯しないもの) →走行用前照灯1灯につき 15000カンデラ以上 4灯式(走行用前照灯とすれ違い用前照灯が同時に点灯するもの) →走行用前照灯1灯につき 12000カンデラ以上 最高光度の合計 →225000カンデラ以内 車幅灯・尾灯・側方灯等 →300カンデラ以下 灯台の明るさの単位としても用いられる…らしい。 |
というわけで、翌日には基のバルブに戻すことを決意して、運転代行の運転のもと、
無事に帰宅。
翌朝、いつもの車屋さんに到着。ヘッドランプ点灯…しない…。
昨日替えた球だし、球切れは無いだろう…。
とすると、昨晩の交換の最中に配線等を切ったりsy−とさせたりしてしまったか・・・?
ヒヤヒヤしながらあけてみると・・・。
内部で焼けている模様・・・。
あのね〜1日で燃え尽きるかね、普通。
まぁ戻す予定のバルブだったのだし、別に構いませんが、焦らせやがってぇ。
で、2個1組で車内保管していたうちの片方はかくして焼けてしまったが、
こんな状況では使う気になれないので廃棄しようとも考えたが、
かくかくしかじかですが、予備にどうぞ♪と車屋さんにあげちゃいましたとさ。
翌日、せっかくおろした新品バルブがこのままじゃ、黙っちゃいらんねぇ。
で、仕事あけに鈍器法廷へ。
880円のハイワッテージ「タイプ」もあったが、ここは奮発して、この商品。
なんと!!1280円。(安
早速開封。
左が今回買ったバルブ、右が取り外したノーマルバルブ。
片目交換したんですが、どちらを変えたか分かりますか。
結局ね、ハイワッテージ「タイプ」はどれも同じようなものなんですよ。
多少の色の違いや、または梱包の違いなんかでも大分換わって見えてしまうのが人の性。
他人から見たら、何が変わったの?
全く持って自己満足の世界です。
ハイワッテージタイプとハイワッテージの違い H4球の一般的な消費電力は55W、60Wなど。 ハイワッテージ「タイプ」は同じ消費電力で、 ハイワッテージ球並みの明るさを目指して生産された商品。 本当にハイワッテージ並の明るさになるどうかは生産者の判断による。 消費者は購入して開封して装着して使用してみるまで判断のしようがない。 では、ハイワッテージ球とは? 前述一般的なバルブの消費電力の2倍前後の消費電力だが、確かに明るい。 ただし、2倍前後の電力が流れるに耐え得る配線が施工されていない車両に装着すると、 配線から出火、車両火災となります。 ハイワッテージ「タイプ」と、ハイワッテージは、「カニカマ」と「エビ」ぐらい違う。 結局ハイワッテージ「タイプ」はハイワッテージには叶わない。 電気エネルギーを光エネルギーに変換するのがバルブの仕事で、 言い換えれば、ハイワッテージはエネルギー変換能力が、 ハイワッテージ「タイプ」の2倍程度であるわけで(※下で訂正)、 ハイワッテージ「タイプ」が敵うわけがないのである。 では、商品のパッケージに記された、ハイワッテージ「タイプ」とは 電気エネルギーを光と熱エネルギーに変換する過程において、 熱エネルギーの発散を控えてその分光エネルギーへの変換効率を上げよう という工夫をしているようだが、私からすれば、実らぬ努力といった程度の印象。 パッケージに明るさの単位(カンデラ)を表記していないことからも 製造元の自信の無さが伺える。 |