〜セルモーターのオーバーホール[DIY]〜
2007/10/02


先日、スーパーで買い物をして、車に戻ってキーをひねったが、
エンジンがうんともすんとも…。
新ネタの予感♪とばかりに思わずニヤリとしてしまうのが
チェロキー中毒末期の症状♪
セルが回らないんだから、いよいよこのバッテリーも寿命を迎えたか、
車屋さんと保険屋さんに電話して、ジャンピングすれば、
家まで帰るのは問題ないはず。
早速今夜、新品のバッテリーを注文しましょう。
定評のあるオプティマ赤。いいねいいね…。

こんなことを考えていると、程なくして車屋さん到着。
んで、ジャンピングするも、セル回らず。
・・・ちょいと重症かしら?
ん〜バッテリーじゃないとすると・・・
私と車屋さん、声をそろえて「セルの固着!!」
というわけで、鈍器でセルを一撃、セルは勢いよく回り、
あっさりエンジン始動しました。
「今度止まったら、また叩いてみてよ。
頻繁に起こるようなら、そのセル末期だから。」
とのアドバイスを頂いてこの場は終了。

ここから週1以上の頻度でセル固着が起こり、
なんと、9月に全国オフへ出発しようとしたその瞬間も再発。
朝霧への道中で再発されても困るので、
道中は、車から降りる用事があるときもエンジンはかけっぱなし、
エアコンもかけっぱなし(ラジエターの電動ファンを回す為)、
インロックして合鍵を持って車から離れるという具合で、
一度もエンジンを切らずに朝霧まで到着しました。

その後も、雨の日は車にもぐって「あ〜だこ〜だ」するのが特にいやなので、
雨の日は出先では絶対にエンジンを切らない。
でも、これらは抜本的な解決にはなっていないのである。
新品がACdelcoで30000円近い金額。
30000円出せば、10年安泰と考えれば〜、いやぁしかしなぁ…。
ん〜新品買う金無いんなら、直せばいいじゃん。
そこで、「メンテの鬼」ことmotoさんが下さった情報をもとに、
分解整備をやってみました。

いや〜長い前置きだ。
でもこういう症状に見舞われたら皆さんも覚悟してね。





〜作業手順〜

重要なポイントはで表記しています。
必ず守りましょう。

@まず、バッテリーのマイナス端子を外しておく
セルはエンジン始動のために、とても大きな電力を要します。
セルにはバッ直線が来ているので、
悪いこと言いません、とりあえずマイナスを外しましょう。

Aセルの所在を確認。

黒い円筒形のこいつです。

B取り外し方法を考える。

車体(エンジン)には、5/8インチと9/16インチのボルトで固定されています。

実物↑

また、電極は上図の位置にナットで止められています。
プラス・マイナスの両極と思われる端子は、それ同士が接触すると、
前述バッ直線のおかげで大変危険なので、
樹脂に配線が封入されている(下図)。


Cセルをはずす。
いよいよ外しちゃいます。
まずはBで確認した、電極を固定するナットを外し、
次にセルを車体に固定しているボルトを外すと、
顔の上にセルが降ってきますので、なんとか受け止めましょう。
※ホントに顔で受けたらたぶんドえらい怪我をします。

外れた"ブツ"


別ビュー


Dセル自身をばらす。

赤○のボルトとナットを緩める。
プラスネジを外さないこと
円筒状の先端のボルトは8ミリ、
マグネットスイッチのほうは忘れた。13ミリくらいか。

E分解して内部の汚さに感動する。

感動している場合ではないんですけどね。

感動している場合ではないんですけどね その2

大事なこと忘れてた。
この写真の赤○の先端部分は丸く作られているのではなく、
ボールがグリスの粘度でくっついているだけなので、無くさないように注意
黄色の○はその下のリングギアの上にかぶさるゴムのパッキンなので、
こいつは最後に装着し忘れないようにしましょう。

F大掃除。
とりあえず「パーツクリーナー」で掃除しましょう。
正三角形状に配置されている3つのギアは指で抜けます。
ギアの歯と歯の間にはグリスや泥が硬化して詰まっているので
地道に溶かして行きます。
ヤスリなどの使用はギアの歯を変形させてしまう可能性を考えると、
やめといたほうが無難です。
また、上で紹介したゴムパッキンは、パーツクリーナーなどの
石油系の薬品(工業石鹸等含む)に弱い可能性があるので、
あまり派手に石油まみれにしないようにしましょう。
※かと言って、汚いまま終わらせるのはもちろんダメです。


きれいになったら思わずニヤニヤします。
なんと。リングギアはプラスチック製。しかも白色!!

これ以上分解したい場合は、
隣のマグネットスイッチの方も分解する必要があるようです。
私は時間が無かったのでここまで。
分解する代わりに、隙間という隙間に
パーツクリーナーのノズルを差し込んで、
黒い液が染み出してこなくなるまで徹底洗浄しました。

マグネットスイッチの動作原理としては、
キーを回してセルを回そうとすると、
まずマグネットスイッチが作動し、
エンジン内部にギアが押し込まれ、
同時にモーターが回ってエンジンを始動させるようです。
キーから手を離すと、
エンジンに向かって飛び出していたギアが引っ込むと同時に、
モーターへの通電が無くなり、セルの仕事が終わるわけです。
エンジンがかかっている間じゅうセルが回っていると、
セルモーター自身が焼けてしまうのだそうです。
不要な時は退散しているわけですね。

色々考えたり調べたりしてみると、
今回私が分解しなかった、ギア群の中身は、
ワンウェイクラッチ?になっているかもしれませんな。
キーひねってエンジンが始動しているのに、
キーを戻すのが遅かったりした場合に、
モーター自身がエンジンに無理やり回される
のを防ぐ、大事な役割を持つでしょう。
ただ、そうであるならば、たいした仕組みではないような気がするので、
今回分解しないでノズルを差し込んで洗浄した方式でも、
十分洗浄効果は期待できるということになります?

※エンジンがかかっている車のキーを更にひねって、セルを回そうとすると、
どこか乾いた、「ぎ〜〜〜」という音がしますが、
これはセルの先端の普段は引っ込んでいるギアが、
エンジン側のギアにかみ合うことが出来ずに、
ギア同士が擦れながら滑って出る音と思われます。
やらないほうが良いことの一つでしょうね。



ここまでやれば十分なのでは?
特別出演”wagoneer”♪

なんと(その2♪)。カーボンブラシへ電力を供給する電力線、でした(@_@)
中心に向かっている、4つの長方形の構造物がカーボンブラシです。
カーボンブラシは徐々に減っていきますが、
減った分バネで押し込まれるようになっているので、
写真のような状態ではまだまだ余っている状態といえると思います。
減りきってしまっても、他の車種から流用できそうな予感がします。
まぁよく出来た仕組みですこと。

Gきれいにしたらグリスアップ

車体の足回りなどをグリスアップする際に用いるのは
黒いモリブデングリスが主流のようですが、
水がかかりやすいこういう部分には、
比較的水に強いリチウムグリスが良いようです。
モリブデングリスよりも少々硬めですが、
この写真のようにポイントに塗った後、
指でギアをまわして全体になじませてあげましょう。
ちょいと面白い動きをしますよ。

ちなみに私が使用したリチウムグリスは、
手のひらサイズの小型のグリスガン充填用で、
蛇腹のカートリッジで某ホームセンターで78円でした。
それでも大量に余ります…。

H組み立て
逆の順序でくみ上げましょう。
くれぐれも、内部部品の装着忘れには気をつけましょう
※再び汚い写真ですが、組み立て時の写真が無かったので単なる流用です。
細かいことを気にしちゃだめです。


カーボンブラシの接する面には、
いわゆる接点復活剤を塗っておきました。
バッ直線などのコネクタ部分も同様です。

セルモーターのカバー部分を貫通する、
2本の8ミリのロングボルトは、長いので、
締めればいくらでも締まってしまいます。
実際には締まっているというよりも、
ボルト自身がねじれていきます。
力の加減に注意しましょう。

黄色い○部分のリング状のパッキンを装着し忘れて、
装着済みのセルを再度外して分解組み立てをやり直したので、
私は一日で都合2回もセル脱着・分解組み立てをやる羽目に・・・。
くれぐれも・・・注意しましょう。



使ったもの

★ミリ・インチソケット
★ユニバーサルのラチェット
★パーツクリーナー大(840ml)2本半
★リチウムグリス大さじ1杯程度
★接点復活剤、ひと吹き、ふた吹き

消耗品合計1000円程度
所要時間3時間



ところで、チェロキーの某資料を見ていると、
セルモーターは内部の部品には
部品番号(パーツナンバー)が振られていません。
私のような症状に限らず、セルが故障した場合、
ディーラーは新品のセルと交換するんでしょうね。
ACdelcoで30000円とすると、純正品は…
きっと目玉が飛び出るような金額なのでしょうね〜(ToT)/~~



その後、エンジンがかからないトラブルには遭遇していません。
1週間少々は様子見期間ですが、まぁ問題ないかと。
また壊れたら、また直すだけだしねぇ。





おしまい





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